旧 清里高原ホテル
ここでご紹介するのは清里高原ホテルのパンフレットです。最後の方に内容については触れますが、とてもいいパンフレットなので、全ページ掲載します。後日知ったことなのですが、このパンフレットは、このホテルの最初のパンフレットでした。
清里高原ホテルと言っても、現在、美し森駐車場近くにあるホテルのことではないです。
清里の最初のペンションビレッジとも言えるあいの原(相の原)にあった伝説のホテルのことです。
あいの原(相の原)と言えば、清里の歴史を語るには欠かせない場所。清里で最初のペンションができたのもここですし、有名なペンションがあったのもここ。このホテルはそんな場所にありました。
オープンは1980年。
レストランは今でもフレンチの世界では有名な方をシェフとして迎え、また、歴史あるホテルの宮様接待係をしていた方をヘッドハンティングしてくるなど見かけでなく内容も素晴らしいホテルでした。そのサービスの質の高さは当時も評判でした。
そのせいもあってか、昭和天皇の弟君も利用されていて、いらした時は周囲の警戒がものものしかったとか。
しかし、残念ながら、本来のこのホテルのコンセプトと、清里ブームによる町の変容が離れすぎてしまったことからたくさんのリゾートホテルを運営する会社へ譲渡されます。
最後のお別れパーティは、当時11PMなどに出ていたサラブレッズのジャズコンサートで司会がタモリという豪華なものだったようです。
譲渡後のホテルは、バブルの崩壊とともに廃業することとなります。
まず、このパンフレットですが、全体的にイメージを伝える雰囲気で、情報も詰め込んでいないのがいいです。
ネットもない時代にこれは結構攻めてますよね。写真の添えられて言葉は、説明ではなくポエム的な言葉だし。
「時間が止まる 標高千三百メートル。
愛の原」「時間を追いかけることより、
時間を留めておくことを大切にしたい。」
とかね。
ホテルの説明はこの最後のページのみ。
「当ホテルでは、お客様に、自然に親しんでいただくという趣旨により、TV、ラジオ等の設備はございません。
ご愛読書などをお持ちになり静かな”時”を過ごされることをお勧めいたします。」
こういうホテル今も欲しいです。
上の文にもありますが、住所表記も「愛の原」(あいのはら)と書いています。さりげなさがなんだかいいですよね。
ホテルは16室54名収容。料金はハイシーズンで、1室2名 1泊朝食付きで、一番お安いツインで 22、000円。デラックスツインで29、000円となっています。ホテル自慢のフレンチレストランでの昼食はコースで4、800円、夕食はコースで6、000円(要予約、税サ別)だったようです。
このホテルを超えるほどのホテルは、いまだ清里には存在しないと言われています。なくなってしまったのが本当に残念です。
廃業後、個人の持ち物となっていましたが、現在は、VILLAGE Ⅲというドラマや映画などのロケに使われるハウススタジオとなっています。なので、この建物の現在を目にする機会もあるかもしれませんね。
下の写真は、あいの原(相の原)地区に今も残る、元清里高原ホテルの建物。
美しい清里高原・あいの原通り(https://www.facebook.com/KIYOSATOainohara/)よりお借りしました。